モリさんのボドゲ戦記

勝つためのボドゲブログ

しゃなたそ2月卓を振り返る⑥1903秋

1903春行軍

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1、怒髪天を貫く

 ロシアは激怒した。必ずあの邪智欺瞞に溢れるドイツ皇帝を打ち倒さねばならぬと固く決意した。先季あれだけ下手に出て、怒りを噛み殺して露独の協力を約束したのに、黒海への進出をしないとは!(ロシアは仁義に熱い国なので、約束通り支援を入れている。)

 ドイツに決定打を与えるために、ロシアは鬼神の外交を決行した。具体的には、イギリスに対して、デンマークとオランダへの同時攻撃を提案。ドイツにはこれを行軍的に食い止める術はなく、決行されればドイツ凋落は必至となる。

 ロシアは当初このように盤面を読んだため、ドイツに対しても怒り気味のチャットを送付。ドイツからも対仏で利益を得るまではイギリスを裏切れないとの反応。また、ドイツはイギリスとロシアを天秤にかけており、イギリスからは対仏の利益が得られるが、ロシアとは利益が見出せないとの返答。ますますロシアは対独に傾くことになる。

 

2、寝ると人間は冷静になる

 上記は確か行軍が明らかになったその日にイギリスに提案していたのだが、一晩経つと、このドイツ凋落は色々まずいことが判明してしまった。問題点は主に下記の3つ。

⑴イギリスの拡大が北欧権益を脅かす

 正直、ドイツとロシア、どちらがデンマークを取ろうと、あまりスカンジナビアの制圧力は変わらないかと思う。

 一方で、イギリスが今後も海軍を量産しまくると、ロシアとしては力比べに勝てず、イギリスが北欧を制圧する展開が見えてくる。

⑵ドイツの脱落は対墺包囲網の破れを意味する

 ガリシア危機一髪を演出するなど、茶番を繰り広げている墺露間だが、いずれはラスボスとして倒さなければならない国である。

 となると問題になるのは、露対墺が起きた時に、墺攻めに加担してくれる国がいるかどうかである。この際に、ドイツが消滅している状況は、ロシアにとってよろしくない形となる。墺露国境付近に保有している陸軍の数は墺の方が多く、ただでさえ露が劣勢であるため、ここでドイツを潰しにかかるのはちとまずい。

⑶(一般論として)ドイツ攻撃は墺の機嫌を損ねる

 このタイミングで墺に攻撃されるとロシアが潰れるのは前述の通り。

 

 以上の観点から、ロシアは本当は対英したいが、現状の提案のままではドイツが潰れるという状況に、逆にめっちゃヒヤヒヤすることになる。

 しかも、行軍が明らかになったと後の外交以来、ドイツからは返答が帰ってこず、ロシアはますますヒヤヒヤすることになる。

 

3、墺の差し金

 ちなみに私はロシア経験がなく、墺がロシア経験が豊富な方だったので、露は墺を行軍お悩み相談所として活用していた。そのため、前述の露英の本気の対独もドイツに情報は流れていた。(これはログで確認済み)

 これを受けてか、ドイツからは更新2時間前のギリギリのタイミングでロシアとの連携の申し出があった。

 ロシアはそれまでの行軍(フランスのブルゴーニュ取り返し、イギリスのオランダ攻め、ロシアのデンマーク攻撃)を横流し、ドイツが実は外交的危機にあったことを植え付け、うちとの協力を取り付けるモラハラ彼氏系外交を実施。ドイツもこれを受け入れことになる。

 すっかり従順になったドイツはロシアへのデンマーク攻撃も理解を示したが、ロシアは北海進軍をドイツにさせることを提案し、無事妥結。この提案のポイントは二つ。

①ドイツ視点から、自分で自分の身を守ることができる行軍を提案することで、両国の仲を進展させること。

 自国の勢いだけを考えれば、ロシアがデンマークを取る方がいいのは確かであるのだが、まずはこの始まった両国の間の仲を安定させることが遙かに肝要である。そのため、ここはドイツが安心できる形を作ることを重視した。

②のポイントの方が、より重要なポイントなのだが、ここは敢えて先の投稿に回したいと思う。

 

しゃなたそ2月卓を振り返る⑤1903春

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1それでも続けた露独交渉
前年のドイツ様の口振りから少なくとも1902秋は英独同盟継続らしいことが透けたため、ギリギリでロシアはドイツがスウェーデンに侵入してくると判断。無事にスウェーデン維持に成功した。
ロシアは正直怒り心頭であったのだが、なんとか怒りを噛み殺して、ドイツに対して「何かあった気もするけど、対英いかがですか」、と提案。これは我ながらよく我慢できていたと思う。
ドイツは英独伊の対仏競争では少し出遅れてしまったのが厳しく、ここで英独同盟を続けていると、イギリスに海軍平押しを食らいかねない展開。また、墺の形もいい形であることから、対英対墺での連携を確認し、露独共同行軍が開始されることになったのだが・・・

2、失着を許される
 墺露の基本姿勢は対土であるのだが、1902の増設ではうちはワルシャワに陸軍を立てていた。別段ここで陸軍を増設下からといって対墺が捗る訳でもなく、セヴァ艦隊建造が難しくなりかねない増設だった。当然墺からは何やってるんだ的な指摘を受けるが、この子をどう使うかの話をきちんとできているのが、両国の関係のいいところであったと思う。
 ちなみに、この年はあまりに各国の反応が悪すぎであり、墺露間で漫才的なサムシングを繰り広げている。

正直墺露同盟の固さは既定路線であるため、その余波とそれ以外の外交に着目しながら、スピードをあげて振り返っていきたい。

イマジナリウム初見感想

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イマジナリウムを始めてプレイしたので、備忘の為に感想を残しておこうと思う。
(プレイしたことある方向けの記事です)<意外と行動の制約が辛い>
機械や助手の購入に必要なチャコールについては、入手する手段はそれほど厳しくないと感じた。また、リソースについても、取引が出来たり、上手くカードを合成すると資源がかなりの量得られるので、そこまで厳しく無いようにかんじた。

一方、このゲームが簡単に進まない要因としては、隣り合った二つの行動しかできない、という制約がかなりキビシィと思われた。

順に整理したい。

1雇用+チャコール
→かなり理に叶っている組み合わせ。序盤はこれを使って行動の幅を広げるのは悪くない考えだと思う。
2チャコール+修理
→相性は良いとは言えない。次に高目のカードを買う必要があり、かつ手元にリソースが無いとやや選び辛い
3修理+交易
→チャコールマシマシプレイをしているならともかく、少ない資源をやりくりして修理している展開って基本的に弱いのでは…とも思える。
4交易+分解
交易で得た資源を売る?分解で勝利点を得つつ交易で次の準備?どちらもイマイチ。交易と修理の位置逆でも良いのでは?
5分解+整理
仮に同時に行った場合、機械枠が二つも開くことになるため、その点をどう考えるかが難しそう。大抵は枠は一つ開けば良いという局面の方が多いと思うので。
6整理+雇用
前準備ができていれば一気にプロジェクトを達成したりと、強い組合せ。ただこれを選んだラウンドではリソースが増えないのが辛い。(他の5つの組み合わせはチャコールか、修理による生産か、分解によるリソースの生み出しか、いずれか発生させることができる)<行動計画の指針とそれを乱すもの>
ここまで書いてくると、要は二ラウンドペースで手を考える必要があることが分かると思う。
このターンはチャコールを獲得しつつ修理して、次に整理+雇用を狙う…などなど。

しかし、その考え方を邪魔する要素が二つ程ある。
一つが、毎ラウンド移ろうカードの場である。この中から一枚選んで確保する必要があるというのは、思考を乱す要素として大きいと思われる。(あ、あのカードも強い!とか、お前来るの遅いよ~とか。)
もう一つ、プロジェクト一番乗りボーナスも、ある程度自らの計画を乱してでも取りに行くという行動を誘発する。
プロジェクトは個人的にはn-1点の勝利点に、一番乗りボーナス1点が乗っているという形で考えるのが良いのだと考える。何が言いたいかというと、3点のプロジェクトは三分の一が一番乗りボーナスであるため、人にそれを取られるのは痛すぎるが、5点のプロジェクトは大体二割程度の損失で済むため、計画を乱してまで取りに行くものでも無いだろう…ということである。

後は、初回プレイではほとんど使われなかったが、攻撃カードが飛び交うと、より「僕の考えた完璧な製造計画」を乱されるため、その中でどう方針を組み立て直すかが問われるのだと思う。
 その意味で、最高の雑用係という設定は、結構面白いのかもしれない。現実よろしく状況の変化のしわ寄せは現場に行き、プレーヤーは上の指示なり、トラブルなりに振り回されながら、勝利点をなんとか集めきることが求められる、という訳だ。

しゃなたそ2月卓を振り返る④1902秋

(1901春行軍と調整)

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1、とことん組めない露土

 さて、客観的に見ると、うちが墺にしてやられている形になっている。一応墺からはルーマニアは引くという話になっており、ロシアもそれを信じるしかないと言った情勢。

トルコはトルコで黒海を取りに行かなかったことを墺から非難されており、情勢的には露土協力が成立しても悪くないところ。

しかし、まず露土はアルメニア陸軍の問題を解決しつつ、黒海の領有を決めなければならない。ロシアからは黒海の領有とアルメニアの撤退を要求。トルコはこれを飲むことができず、この年墺に「ロシアはトルコがそんなに嫌いなのでしょうか?」と漏らしていたらしい。

しかし、ロシアに対して、「どうして墺露共同でブルガリアを墺に渡すという失敗をしたのか、参考までに教えて頂けないでしょうか?」と言われてしまっては、ロシアはいよいよ持ってトルコと組むことはできなかった。まず何より自国の決断を失策と言われるのは誰でも腹が立つものであるし、かつ、参考までという言い方も、自分が勝利を諦めていることを強く匂わせるものであった。自分が逆に少し落ち目の国と交渉するときは、気をつけたいものだ。

 今季は今季で墺は自信満々で対土の継続(具体的には黒海スカしてのセヴァ海軍建造)を呼びかけてきたが、さっき偽計がうまく行かなかったロシアからすればあまり気持ちのいいものでは無かった。一方で、ここら辺で「どうもこの卓では墺露以外は外交上のやりとりが少なすぎる」という認識を墺露で共有した(してしまった)ので、墺露同盟が外交の基軸に座ったのは確かである。

 

2、独露交渉

 西欧の情勢は、ロシアの地政学上のもう一人の盟友であるフランスがひたすらいじめられる展開が続いてしまったため、かなりロシアとしては苦しい展開となってしまった。また、イギリスは初年度2増を得て、海軍大国となっており、北欧での権益がおぼつかなくなってしまうため、ロシアからは昨春から、独露協調による対英を主張していた。

 具体的には、春の段階では、北海が空白となっていたため、デンマーク海軍を北海にさし向けることを提案していた。(しかしこのタイミングでは、ドイツは対英に踏み切るのは少なくとも難しいであろうことは理解していたため、提案のみ)

 そして満を辞して今季仕掛けたのが、2つの提案であった。

①仏独の間を取り持ってベルギーをどちらかが奪う話にできないか画策

②ドイツの北海進軍をロシアが支援

①については、三国チャットを作ったのだが、なぜか両国共に反応がなく(それはそれでどうかと思うが)頓挫してしまった。

 まぁ①はそれはそれで難しい話であるため、本命と考えていたのが、②であり、ドイツからも「熟慮の上判断したい」との提案があった。

 しかしここでドイツからは(春は無断で北海進行をやめてしまったためロシアがそれについては注意していたところ)やはり対英積極策は取らない、との通告があった。

 この通告は正直ドイツ様の人間味が出ていたところかと思うが、冷徹な外交官であれば、むしろうちの提案を飲む形の返事を送るべきだったと思う。(理由は次の投稿で)

 

 

しゃなたそ2月卓を振り返る③1902春

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なかなか平日に振り返るのが厳しいため、この週末で前半戦は振り返ってしまいたい。

(先にいうと、この卓は1907年で和平)

 

1901年の建造は上掲の通り。フランスがマルセイユ海軍とパリ陸軍を選んだことから、英のブレスト獲得が早そうなこと、墺はあえて空いているトリエステでの建造を行わなかったため、墺伊が盤石になりつつあること、そして何よりうちがセヴァ海軍を増設し、トルコ絶対殺すマンになりつつあることなどがわかると思う。

 

1、墺露同盟の危機(雨降って地固まる)

正直、この年の墺からの提案はかなり耳を疑うようなものであった。曰く、せっかく建造した我が南洋艦隊をすりつぶしつつ、今季トルコ領を墺が取るというものであった。

(具体的には、トルコにcon -> bla aeg -> conとさせて、墺がaegを取る、その間に、ルーマニア海軍を二軍で解体に追い込み、墺土同盟成立と見せかけて、来季にトルコ急襲する)

前年振り返りの際に書き漏らしてしまったが、実はロシアの増設を巡って、墺露間ではかなりやりとりがあった。まず、墺露同盟を維持するに当たっては、双方がいかに海軍を作るかが一つの重要なポイントになる。

※二国間の同盟の組みやすさの基本的な考え方は以下の記事が詳しい。

diplomacy.g.hatena.ne.jp

(上掲の方のブログは非常に良い考察が多いので、他の記事も読んでは損はないと思う。)

基本的に、墺露共に陸軍国であるため、長期同盟を維持するためには、積極的に海軍を沸かす必要がある。

そのため、墺からは昨年に、stpとsevの両方での海軍建造の依頼があった。

しかし、まだこの時点では墺の対露反転も十分考えられる段階であったため、露が逡巡をみせ、結果として海軍1陸軍1の増設となった。

そのロシアの海軍建造への不安を受けて、墺からは海軍を陸軍に切り替える提案があった・・・のだが、当然既存兵力を減らす行軍には我が国は強烈な懸念を示し、この時の墺露間のやりとりは凄まじい量となった。(字数にておよそ2000文字程度)

結局、この量のやりとりができるということを持ってして墺露同盟は却って硬くなったのだが、ここは交渉決裂してもおかしくなかった気がする。)

 

結果から見れば、このトルコに対する偽計は失敗に終わったのだが、これはトルコの心理状況を墺露が掴み損ねたことに起因する。確かに、「形の上では露土は非常に組みにくい形になっており、また前回のやりとりではロシアが勝手に墺のブルガリア攻撃に支援を入れた形になっている。今後トルコが捲土重来を期するためには、トルコは墺と組む必要がある」というのが客観的な話に基づいたトルコの考えになるのだが、それよりもトルコは墺露への不信感の方を優先した行軍をとり、結果として自国防衛に成功した。墺はこのトルコの自己防衛に激怒していたが、リアルでのディプロマシー経験を元にすると、この生き残り重視のプレイングはかなり見受けられるものであり、そしてそれは本来このゲームが長期戦であり、永続的な同盟はおよそ存在しないことを考えると、スタート時の国力維持は悪くない選択肢だとも思うのだが、とにかく墺はトルコ憎しの感情を募らせた。

 

2、西欧の情勢はいかになるか

なぜかこの段階で、ドイツの英仏同盟があるのではとの言説が流れ、しかもそれを中央三國が信じるという奇怪な現象が発生した。個人的には、lvp建造の時点で少なくともイギリスがフランスを〆る意図はかなりあったのかと思っていたのだが。フランス視点でもブレストが一番守りにくく、パリが落とされると一番まずいというのも理解できる。

 

3、ロシアの北欧経営

墺露同盟のもう一つの帰結として導かれるのが、ロシアが北欧経営に乗り出すということである。イギリスとの外交では、stpの陸軍は南に回すと言い、イギリスからもその要請があったが、おそらくイギリスはnorが落ちることは覚悟していたと思われる。実際次の秋でもそこまで怒られなかった笑

 

4、相変わらず低調な伊露外交

 「地政学上最高の同盟」などと言われるイタリア・ロシア間の同盟だが、相変わらず対墺を押し付けあっている。ロシアからはイオニアへの進軍を進め、イタリアからはとりあえずなんでもいいから墺の増設を防げ(なんじゃそりゃ)との話がきている。

 ただ、この外交は双方共に失敗していたのだと振り返る。ここはお互いに「実は墺とはズブズブの関係で、今は墺とことを構えずに国力強化を図りたい」という気持ちを素直に伝え合い、その上で、「今は仕方ないけど、いつか一緒に対墺しようね!」という意思確認をした方がよっぽど生産的なやりとりになっていたかもしれない。

 

 

 

しゃなたそ2月卓を振り返る②1901秋

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1、東欧三国同盟の仕掛け

1901秋の行軍では、いかにトルコを増設無しに持ち込むかで、一悶着あった。

 

そもそもトルコを増設無しに追い込むためには、東欧三国同盟の結果のcon→aegを実現する必要があったが、トルコがアルメニア進軍を決行した。

確かに、まだお互いの腹のうちが見えてない段階では、トルコの基本姿勢としての対露は間違いではないため、アルメニア進軍は悪くないのかもしれない。

しかし通告なしの(普通通告はしないだろうが)アルメニア進軍はロシアとしてはトルコへの不信感の増大に繋がり、結果としてこれもロシアの墺頼みの度合いが高まってしまった。

結果的に、トルコ憎しの感情を飲み込んで、東欧三国同盟の提案をしていたが、ここでもギリシアSOの提案がトルコからなされるなど、具体の行軍が決まるのはかなりギリギリになってしまった。結果的にロシアから墺のブルガリア占領を認めることにしたが、後の墺の奇策提案もあり、トルコ領を削るのは墺だけになるという形になる準備を手伝ってしまったかもしれない。

 

もっとも、せっかくアルメニア進軍を果たしたのであれば、トルコはそのまま対露路線をキープでもよかったのではないか・・・と思わなくもないが。(実際墺の外交によってはロシアは今季黒海ルーマニアを失う可能性もあったのだし)

 

2、イタリアとの不仲の始まり

墺伊の外交がどう展開していたのかはわからないが、おそらくは墺伊関係はかなり良好だったのではないかと終了時の今なら推測できる。

イタリア、オーストリアの間は空白化に成功し、かつ仏攻めも明らかにしているイタリアから、この段階からロシアの北上への懸念が表明されていたのは、ある種不自然であり、反面納得できるものである。(ここについては年がたってからの方が書きやすいため、今はそうだと言及するにとどめておく。)

一方で、トルコ憎し、まずは墺との長期同盟を基軸に外交を考えていたロシアとしては、単純に対墺に向かうことを支持するイタリアへの反感は高まり、かつイタリアが対墺や対トルコに向かわないことへの苛立ちものちに出てくることとなった。

友達の友達が友達にならない、この関係を生み出す点でも墺はうまく立ち回っていたと考える。

 

 

3、stp増設問題

ロシアは今季Stp増設(しか土地が開かないこと)を英独に通告し、理解してもらっているが、ドイツからの海軍増設要請もあったことから、ここは北岸海軍を増設してもよかったのかもしれない。(実際、その後の行軍を見ても、これが海軍であれば露の北欧経営はよりスムーズに行ったと予想される。)

当時としては、墺の早期裏切りも予想しての陸軍増設判断だったが、大きな利益のためには同盟への強い意思が必要であることを考えると、ここは海軍増設をして、完全に墺に背中を預けるぐらいの方が、国力増加レースで墺より2歩先を歩めたかもしれない。

全体的に、当国はリスクを取りに行く選択を避けており、その積み重ねが国力増加スピードの減退を招いていたのかもしれないのは、この卓の反省事項である。

 

 

しゃなたそ2月卓を振り返る①1901年春

みなさん初めまして、モリさんと申します。

 

今日からしばらく、ディプロマシーの卓の振り返りをしてみようかと思います。

というのも、この卓は墺露同盟が6年間継続した卓であり、また両国共に残念ながら和平になるまで繁栄をほしいままにした卓であったため、記録の意味で振り返る価値があるのではないかと考えています。

 

<1901春外交>

1、墺露間の外交

 まず、1901春の外交から振り返って行きたいのですが、墺露の外交の滑り出しは悪くなかったかのように思われます。お互いのディプロ歴とオーストリアという国家に対する認識などについて意識を共有し、東欧三国同盟という奇策について雑談ながら話す、いい感触がありました。結果的にこの東欧三国同盟の仕掛けが、トルコ封じ込めの布石になっていたこともあり、幅広に東欧の展開について話し合えたことが両国の利益になっていたのかと思います。墺のロシアに対してだけ真意を打ち明けているような口ぶりも、かなり外交屋として優れていたように感じています。対外的に墺露をどう隠すか?という点についても、頭合わせができていたことも、足並みの強化に一役買っていたのでしょう。

 

2、露土間のやりとり

 一方で、露土間の外交は、いきなり黒海問題をどうするのかという重大な話題から始まりました。私としては、これから長い間やっていく方になるのですから、長期的な展望や互いのパーソナリティーなど、他愛もない話も交えて行きたいところだったのですが、突然難しい話を振られてしまったこともあり、ややテンション低めのやりとりで立ち上がった外交だったように感じています。

 

3、その他の国との会話

 独仏特に仏がなかなか期間中外交に浮上して来なかったことから、西欧の外交状況について有用な情報を得られなかったことを懸念しつつも、イタリアともトルコ攻めが選択肢にある旨了解していたため、基本的に楽観的に春の行軍を待っていた記憶があります。

 

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また、出てきた行軍結果が、西欧の早期決着を予想させるものであり、東欧がこれに対する対抗策を出す必要があったことも、建前上の東欧三国同盟及び実際上の墺露同盟の強さに寄与していたのだろうと考えています。