モリさんのボドゲ戦記

勝つためのボドゲブログ

Turmoil分析⑤~これまでの拡張との変化②〜

 

<ターモイルは、カードプレイが正義になったと言えるのか?>

 

コロニー拡張は、一言でいえばテラフォの味付けを大味にした拡張で、科学宇宙プレイがハマった時の爆発力が基本的に強い環境(強力な参照系カードと、科学条件カードの追加)で、その中で衛星のラインナップ等で、多少プレイ方針に強弱がついてくる、という環境だったと考えています。

 

必然的に、カードプレイをするのが順当に強い環境だったと考えています。

 

今回の議会ボーナスの多くもタグを参照しますが、科学宇宙プレイで頻出する所の宇宙タグ自体を参照する政党はありません。科学タグは参照されますが、基本的に科学タグは皆が欲しがる都合上あまり固まりにくく、莫大な収入を得ることには繋がりません。

 

一方で、これまで比較的1人がシコシコやることが多かった熱産出や建材タグ、動植物系のカードや盤面そのものに対してボーナスが入るようになったのは、良い感じでバランスが取れるようになったと感じています。

 

真面目に火星を開拓していても、その行動を後押しするようなボーナスが得られることが多くなりました。

 

ことにグリーンの草配置時の4金はかなり盤面の進捗を良くする印象です。カードをあまり抱えず、標準プロジェクトで草や都市を配置して盤面を整える行動が効率良く出来るようになりました。

 

その結果として、盤面による得点確保が、相当程度安定感が出てきたと感じています。

カードプレイ側も何らかの形で盤面に干渉しないと、効率良く得点を火星から拾われて負ける展開が出てきたと思います。

 

<ターモイルシステムが産む、"溜め"とそれを巡る駆け引き>

 政策ボーナスを多く得るために、ターモイルではリソース(チタン、草等)を溜め込むことが多くなりました。溜めたリソースを上手く使う為にどう動くべきかというのが、勝つための大きなポイントになったように感じています。

レッドが政権を握ること自体も、確実にラウンドが停滞し、その結果として溜めが生じます。

レッドの後どこに政党が傾くかは、かなり大きくゲームを左右するように感じています。

溜め込んだチタンで一気に火星が焼き払われるのか、それとも植物が一気に火星を埋めていくのか。大きな分水嶺になると思います。

 

そうでなくても、ユニティが政権を取るか取らないか不確実であるから、あえてこのターンにチタンを使ってしまうかー…というような判断はよく起こります。

 

リソースを溜める事のメリットとそれを崩された時のデメリットは表裏一体である為、議会の動きを読み切り、時にはリスクマネジメントをしながら手番を使っていく動きが求められるようになった印象です。

 

<ますます枯渇していく電力、建材系企業の復権

 

一応ケルビニストの政策で電力を上げることは出来ますが、そこまで効率の良い行動ではあいかわらずない為、電力産出を供給するカードはかなり優先確保すべきカードになりました。(毎回拡張が入るたびに言っているような笑)

 

それと対照的に、電力を使い込むことの多い、建材タグカードの価値は相対的にかなり上がりました。

  • 他カードと比べて、相対的な含有量が上昇したこと
  • マーズファーストのボーナス、政策の作用

建材タグボーナスもさることながら、政策による利益を得ようと思えば、もらった建材を投下するための建材カードを確保することが非常に重要になります。

 

結果的に、火星を全く触らない決断をするのでもない限り(そしてそれは前述の通りハイリスクになりました)、電力と建材タグを確保することは、相当程度優先順位が上がりました。

 

それゆえに、建材タグを出すことが得意な企業は、かなり評価が上がったのではないでしょうか。

 

逆にチタンについては、価値があがってもカードがないから使い切れない!という場面をよく見かけるようになった気がします。(もちろん+1金チタンで宇宙カードを出すことの効率はものすごく良いので、それ故に競争が激化した印象です。)

 

<コロニーの相対的弱体化>

 

言われればそうか、という感じに思われると思いますが、ターモイルで追加された要素でコロニーそのものをプラスに評価かするものはほぼゼロです。

 

唯一グローバルイベントがありますが、プラスのイベントは、産出が終わったあとに金産出を上げるという仕様なのに対して、マイナスは産出が終わった後に3金を奪っていきます笑。

 

前述の通り、電力が得がたい現環境では、コロニーを立ててもあまりみなトレードしないから、結局ペイしない…という展開もありえます。

 

更に、5金で議席を動かす機会はそこそこ多いため、必然的にコロニーにお金を投じる余裕がなく、そうすると強いコロニーが出来ない!なんてことも。

 

コロニーの相対的弱体化はコロニー関連のカードの弱体化へと連鎖していき、船たくさん!トレード強化!みたいなコロニーから暴利をむさぼるプレイは落ち着いたかなと思います。

 

上記の点を踏まえると、インタラクションによってプレイヤー間のバランスが取れる点を除いても、特定のカード、企業を引いたもんがちという要素が多少緩和されて、実はバランスがかなり良い拡張になっていると感じています。