モリさんのボドゲ戦記

勝つためのボドゲブログ

テラフォプチ解説 手番の使い方①急ぎの行動

テラフォで勝つために求められるスキルの一つに、ラウンド中の手番をどう使うかというのが挙げられます。

 

考える方向性としては基本的には以下の二つです。

①急ぎの行動があるのか

②遅らせるべき行動があるのか

 

今回は急ぎの行動について、まとめてみます。

 

何を急ぐべきかについて、大きな考え方を示すのであれば

「自分以外のプレイヤーが手にする可能性があるもので、最も自分を勝ちに近づけるために必要なものをモノにする行動」

「このラウンド何をすべきか決めるために必要な行動」

の二つになります。

 

コロニー

分かりやすいのはコロニーで、自分だけ3電力有るような体制なら基本的に後回しでも構いませんが、他の人が9金で飛ぶ価値があると思っていそうな場合には判断が求められます。

一方で、得てしてコロニーに飛ぶのはいつでも手に入る利益なら後回しにしたいという気持ちに駆られます。

後に書く通り急ぎの行動がほかにもあることは多いので、その場合は他家のトレード体制と相談になります。

 

盤面

基本的に自分は盤面を軽視しがちなプレイヤーですが、
温度の海洋ボーナス、他人の植物除去、どう考えても抑える必要がある都市出しについては重要性を重く見ています。
グロパラボーナスはその後ゲームがどれぐらい続くかを踏まえると所詮7~8金分ぐらいのアドにしかならないことが実はほとんどです。
一方で、海洋配置については終盤戦であることを踏まえて低めに見積もっても10金ぐらいのアドが出るもので、特にカードを絡めずに得点を稼いでいるプレイヤーにとっては貴重な得点、盤外資金だったりすることが多いため、警戒すべきです。
その他手なりで植樹ができそうな人間への妨害(特にグリーンラウンド)や、どう考えてもその後のタイル配置も踏まえると良効率となる都市ポジション等については干渉を行うべきです。海岸線の良いポジションは下手すると15金ぐらいの価値を生むこともざらであり、なんらかの形で埋めるか、旨味を消すか等の手を取ることが求められます。


称号褒賞

手番の判断の中で最も難しいのが称号褒賞の取得タイミングです。
ゲーム中において最も効率の良い得点獲得手段ではありつつも、
当然にコロニー等のその場に置いている利益を得ることは大事ですし、
効率よく称号を達成する道と、効率は落ちるが称号をとにかく急いで取得する道と、2つある場合もままあります。

基本的には称号レースについては目標まであと何が必要なのかは可視化されているので、それを相手が賄った上で8金を払うことができるのか(あるいは、相手が称号取得に真に価値を見出しているか)について考えることが重要でしょう。

場合によっては、取られるリスクを覚悟の上で他のことに手番を割く必要が出てくることもあります。8金5点が理想的な点数効率で言えば17金程度のアドバンテージになるので、例えば3コロニー建造済のルナへのジャンプ(12金)とのトレードの場合は、ある程度相手が称号を取ってくる確率があったとしても機体的にはプラスになったりすることもあります。

褒賞はより言語化しにくいものがあるのですが、8金のうちに立てておくということが非常に重要です。8金であれば最悪2位であっても点数レート的には見合うものになりますし、2つ目の褒賞は14金になり、とてもラウンド中の手なりで払える金額ではなくなるのが大きいです。当然慣れたプレイヤー同士の対戦で言えば似たような観点で8金褒賞を狙ってくることも考える必要があるでしょう。

 

議会
動乱環境では議会を触るタイミングも重要です。序盤は議員の累積もなく、あまりリソースを割くことができないために基本的には先だし有利になります。議会自体は相手の相乗りの判断も誘いやすいため、自分からリードしていく姿勢を示すことが重要な局面は多いです。

 

先出し有利カード
愛玩やローバー等、他家のアクションに応じて反応するカードは早めに出したいものです。出すことによって失われる利益も当然ありますが。


☆自分の勝利につながる行動を意識すること

利益の最大化というのが難しいのですが、必ずしも自分の伸びが一番よくなる選択肢ではないことがよくあります。
特に争点となるのは称号絡みや盤面絡みと、コロニーで得る利益の比較、あるいはコロニー同士の比較です。
具体的には単純に1手番使えばコロニーで○○が得られるが、下家に称号を取られるリスクがある、自分はルナに飛んでお金を回収したいが、下家にプルートを譲ってしまう。。。
こういったケースの判断はひじょーに難しいのですが、経験則的には自分も一定の利益が得られる範囲なら、下家(特に直下家)が最も厳しくなる選択を取ることが勝利を導くことが多いと考えています。
私はドラフトにおいては比較的緩めに、自己利益の最大化を考えていますが、手番の使い方においてはかなり下家の行動を強く意識しています。テラフォはインタラクションは多いものの、ソリティア的に回り切った人間が出てくればその人間に勝つことは著しく難しくなります。また、ラウンド中に得られる利益で重要なものは序盤に集中します。妨害以外の手段で他家をぶん回さないために自分ができることは、ラウンド序盤の動きで他家いかに動かせないかになります。流石に相手が何をしたいかつまびらかに把握することは難しいですが、相手のリソースとハンド量、前に並んでいるカードを見て、できるだけ最善の判断を下しましょう。

長々といっちょ前に書きましたが、大抵の場合優先順位的には

プルート→4,5人戦の称号レース→育ち切ったコロニーと盤面の手当→そのほかの優先行動

ぐらいのイメージです。なぜプルートが強いかは後述。

 

(自分の行動を決めるための行動)
具体的にはドローですね。
私は先ドローをしましょうと常々申し上げていますが、基本的にドローは優先すべきアクションです。
プロジェクトカード一つ一つが取りうる選択肢、あるいは目指すべき中間目標になることが多いため、どのルートを使って得点スケールを大きくしていくか考えるために、その材料となるカードは早めに確認をすべきです。ドローコスト自体は1枚につき2金+αぐらいがこのゲームにおけるコストですが、もたらされる利益は大抵の場合2,3金で収まりません。また、どんなに腐ってもドローは1金、1手番としてつかったり、ハンデスの肥やしになります。
そのため自分の手組を実行していくことよりもまずはドローを優先すべきです。私は大抵ラウンド中の手組を考える際、このカードを引いた場合はどれぐらい手組が変わるかな?というのを想定しながら手組をしています。そして手組の中で許容できる範囲でドローを先に持ってきて手番を使います。場合によっては上記の他人が得る利益を放置してでもドローをすることもあります。この思考法のメリットの最も優れた点は望んだカードを引いた時の多幸感がやばいということです。具体的にイベントを多く打つし地球タグ参照もあるからメディアグループ引きたいな~というときにメディアグループ引けるとめちゃくちゃうれしいですよ。


上記二つの要件を満点で満たすのがプルートへのジャンプになります。
特に満載自己建造プルートは4ドロー1ディスカードになりますが、取りうる選択肢に4枚カードが追加されるというのはどう考えても非常に協力です。通常4枚カードを見ようと思うとたった1枚しかない業務提携を使って購入費込みで10金払うわけです。それでも2枚はそのカードの中から捨てさせられることを考えると、満載自己建造プルートは金額的には15金分ぐらいの価値がある行動だと思っています。

 

結局のところ他のコロニーや優先行動自体はある定量的な数値を縦に伸ばすはたらきをするのに対して、プルートのドローはプレイヤーの取りうる戦略の幅を横に広げたり、あるいはハンド同士を結び付ける働きをするので、次元が異なる利益をもたらすと考えています。なので迷ったらプルートに飛ぶことを検討すべきで、一人のプレイヤーがプルートに飛び続けるゲームは健全なゲームではないかなとさえ思いますね。
(一方でプルートがないゲームはワンチャンが発生しにくいので、ちょっと味付けが物足りなく感じますね。)